☆お薦め本「医療が病をつくる」その3☆

 今回も引き続きこの本の中から薬漬け医療がなぜ起こる?についてです。
 著者は老人の多様な訴えに対し、医師がまじめに症状を改善しようと症状毎に薬を出した結果が薬漬け医療の現象であるとしています。
しかも、多様な訴えの最初の原因が痛み止めの処方であると言っています。

 老化現象の初期症状に筋力の低下があるのですがそれにより筋肉疲労が起こり、血流障害になり治癒反応として血流が回復した時に痛みが発生するそうです。

§ 痛みの発生と鎮痛剤についての補足 §
生体組織に何らかの傷害が起きると、そこの細胞膜は破壊され細胞膜からアラキドン酸が放出されますアラキドン酸はカスーケード反応という階段状に次々と起きる反応で合成物をつくりプロスタグランジンという発熱・発痛作用のある物質が出来あがります。一部の鎮痛剤はアラキドン酸→プロスタグランジンの合成を阻害することで痛みが出ない薬理作用があります。

 痛み止めは痛みの一時的な消去と交感神経緊張状態を招きます。
著者は痛み止めの長期連続使用で以下のような交感神経緊張症状がもたらされるとしています。

頻脈、高血圧、末梢循環不全(手、足の冷え)、顆粒球の増多、粘膜破壊(胃を悪くする等)関節や骨の変形、尿量低下、腎障害、白内障、不眠、慢性疲労、食欲不振、便秘、口渇、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、発癌、多臓器不全等・・・

これらの症状を抑えるためにさらに降圧剤、循環改善剤、睡眠薬、下剤、胃薬などが併せて処方されてゆく
著者によると唯一患者を救う方法があるそうです。それは、...薬を全部やめること!

 アメリカの医師用教科書「ドクターズルール425」の引用がされてます。

「可能ならすべての薬を中止せよ。不可能なら、できるだけ多くの薬を中止せよ。」
「4種類以上の薬を飲んでいる患者は医学知識の及ばぬ危険な領域にいる。」
「高齢者のほとんどは薬を中止すると体調がよくなる。」

いかがでしょうか?
医師、患者、製薬メーカーの誰も悪意を持っていなく、症状を何とか改善しようとしているにもかかわらず、病状が悪化してゆくという...下手なホラーよりゾッとする話です。
 次回も引き続きこの本の中からアトピー性皮膚炎とステロイドについてです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です