前回の記事はポストを巡る散歩で、材木座と由比ガ浜の町の特性が少し違うんではないか、ということに触れました。
今回は鎌倉生まれ・鎌倉育ちの60代半ばの男性の患者さんから聞いた話や商店街の諸先輩から聞いた話を織り交ぜながら、思うことを書いてゆきます。
鎌倉のかなり狭い範囲の話なので、ご興味の無い方はスルーしちゃってください。
材木座と由比ガ浜の町の特性の違いについて。
まず、道路から(笑)
え!なんで?そこから~と思われる方もいるかもしれません。
私が常々不思議だったのが国道134号線の造りです。
滑川(なめりがわ)の交差点から海に向いた方向で右折すれば江ノ島方面。
左折すれば逗子方面。
なぜ、右折する方向には緩やかなカーブ形状なのに(今現在はローソンがあります)
左折する方向には直角に近い形状なのだろう?
それに、滑川の交差点から稲村ガ崎までは海に出るためには信号で渡れるのに、
滑川の交差点から逗子方面には材木座○号トンネルという道路下のトンネルをくぐらないと海に出れないのだろう?
等の疑問があったのです。
以前この道路が有料道路であったことは、義理の父が鎌倉に遊びに来てくれた時に、記憶ではそうだったと教えてくれたことがあります。
さて、常日頃不思議だなと、思っていたことを長谷にお住まいの60代の男性にお聞きしたところ、以下のことを記憶していると教えてくれました。
有料道路は滑川の交差点から江ノ島方面が先に出来た。料金所は七里ガ浜の駐車場にあった。
東京オリンピックの頃に滑川の交差点から逗子方面に有料道路が出来た。料金所は披露山のふもと辺りにあった。
自分が小学生の頃は自転車の通行料金が10円だった。
以上の内容です。
今回このブログ記事を書くにあったってWikipediaで調べてみたのですがそれがこちらです→「湘南道路-Wikipedia」
ほとんどその男性の記憶どおりでした。
有料道路建設の着工時期と無料開放時期が異なるわけですから、構造の違いがあったのかもしれません。
そして、逗子方面への有料道路が出来る前の材木座は今よりも浜辺が広く道路よりも内側まで砂浜だったそうです。
しかも、松林が連なり、別荘と保養所が点在していたそうです。
さて、ここら辺から材木座の気風が想像されます。
材木座にお住まいの60代半ばの男性の患者さんにお聞きしたところ、上河原(NTTゆかり荘のあった所~ヒロ病院の辺りまで)や、材木座海岸入り口付近の商店街はお店がもっと数多くあり、日常の買い物はそこで事足りていた。
だが、しかし、お店の商売のスタイルの中心は「御用聞き」スタイルだった。
確かに、材木座を歩いていると古い大きな家には「勝手口」というのがある家がかなり多いのです。
先程の男性によると、「御用聞き」に来たお店の方は「勝手口」からしか家に入ることは許されない。
正面玄関から入れる唯一の例外はお正月だったそうです。
鎌倉は他の地域も「御用聞き」のスタイルが多いのですが、ことに材木座は別荘やお屋敷が多く、(そういえば、皇后陛下のお父様に当たられる正田さんのお屋敷も材木座にありました)「御用聞き」のスタイルが色濃く残されたんではないかと思います。
ここから想像される材木座に住む方々の気質は・・・保守的、新しいものにすぐ飛びつかない、十分に周りの評価を確認してからお店に出向く、と言った感じでしょうか。
なので、材木座にはコンビニが1軒も無く、なかなかに新規出店が難しそうな土地のようです。
これは悪口ではないのです。かくいう私たちもその閑静さが好きで、ずっと材木座に住んでいるのです。
また、長くなってきました。由比ガ浜については次回に。