☆心の金利☆

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 今回は私がまだサラリーマンだった頃の話です。
その当時私は保険会社の営業職で東京で主に東のエリア(台東、墨田、足立、葛飾等)を担当していました。
そのエリアでよく訪問していた取引先の社長から聞いた話が次のような内容だったのです。

 訪問し、挨拶もそこそこに社長が
「いやぁ~高橋さん、近頃の銀行の金利って奴はー有るか無いかわかんないぐらい低いけど、人の心の金利っていうのは高いねー」
「と言いますと?」
「それがね。俺も忘れていたんだけど...」
と、その社長が話の詳細を教えてくれたのです。

 私は“心”と“金利”というものを結びつけた表現が面白く話を傾聴します。
その会社には保険会社やその他販売会社などの様々な営業職の方が出入りしています。
その中の一保険会社の営業マンがある時、会社のノルマに耐え切れず、本来その社長にお願いするべき筋合いではないのに、ある契約をお願いしたそうです。
その社長は頼まれた時二つ返事でその高額な契約を引き受けたそうです。
(3年か5年満期の物だったと記憶していますが)

私も実感があるのですが、決算期ぎりぎりの時期に-あとこれだけの成績が残せないと自分の評価がかなりヤバくなる-という状態に置かれる場合があります。
私はその時の営業マンの状態もそうだったのではないかと思えます。

 そして、何年か時は経て、社長が契約したことも忘れていた物が満期を迎えた時、
所定の満期金を受け取った頃に例の営業マンが訪問してきて(その社長の話ではその時は既に担当から離れていたと記憶しています)
それとは別に謝礼を渡そうとしたそうです。
その時、例の営業マンはしみじみと
「いやぁ~、あの時助けてもらって本当に助かりました。あれがなかったら自分はどうなっていたかわかりません」

 どうやらその直後に私が訪問したらしく件の話になったわけです。
自分はそんなに助けたというつもりは無かった。
それに満期を忘れていたぐらいの前の出来事なのだから、もう担当も外れたのにわざわざ来てくれて御礼を言ってくれるほどの事でもないのに、と社長は笑っていました。
人から施された恩義というものを忘れず、“心の中の金利”という利息をつけて返礼をしたという話です。

 さて、今現在のアロハカイロ&フットパラダイスはここ鎌倉の地域の方々や商店仲間からやはり同じように助けるというつもりでもないのでしょうがこちらにとってはありがたい恩義を感じることが多々あります。
例えば、身体の不調で悩んでる人がいたら、「あそこに行ってみたら?」と勧めて頂いたり、多くの人が集まるイベントに真っ先に、「今度やるからおいでよ!」と誘って頂いたり・・・
最近とみにこの縁を大切にしていかなければならないなと感じているのです。

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