QC手法とは車メーカーのトヨタでも採用されていた品質管理を高めて行こうという手法です。
具体的にはある生産過程で品質上の欠陥品が出るならば、なぜそれが出るのか、どうすれば少なく出来るかをサークル活動の中で検討し新しい方法を考え、生産過程を改善してゆく・・・などの活動が挙げられます。

 もう少し詳しく説明すると、
[テーマの選定]-問題点・課題を決める。
         ex)欠陥品を少なくしよう
[現状把握と目標設定]-課題に対しての調査と改善目標。
         ex)1万個に3個の割合で欠陥品が出る
           →1万個に1個の割合に減らそう
[要因の解析]-欠陥品が出ると考えられる原因の解明
[対策の検討と実施]-解明された原因に対し現実的に着手できそうな対策を採用し行う
[効果の測定]-対策を打ってどれぐらい効果があったのか
[再発の防止]-一過性ではなく永続的に改善された状態を保つ
等がオーソドックスな流れのようです。

 また、このようにして確立された手法はPDCAサイクルという管理サイクルで運営されます。
PDCAサイクルとはP計画(Plan)D実施(Do)C確認(Check)A処置(Action)の略です。

この手法は製造業で品質管理(クォリティ・コントロール)をするために使い勝手の良い手法なのですが、不思議なことに私が以前いた外資系の保険会社で製造業でないにもかかわらず、活発にこのQCサークル活動が行われていたのです。

 なぜこの話をするかというと、今現在の手技療法を使っている自分の思考過程にも意外と役に立っているな~という感想があるからです。

 手技療法の思考にもどう当てはまるか話を繰り返します。
[テーマの選定]-問題点・課題を決める。
         ex)腰が痛い。
[現状把握と目標設定]-課題に対しての調査と改善目標。
            ex)中腰で身体を捻ると痛みが増す。
              →まず、これを減らそう!
[要因の解析]-捻って痛みが出ると考えられる原因の筋肉・関節を詳しく触診する。
[対策の検討と実施]-筋肉・関節の調整。
[効果の測定]-調整後、同じ姿勢をしてどれぐらい痛みが減ったか→効果があったのか
[再発の防止]-一過性ではなく永続的に改善された状態を保つ

 PDCAサイクルとしてはP計画-痛みを発生させた根本原因(姿勢等)の改善計画 D実施-自宅でのストレッチ等セルフケア C確認-次回来院時の姿勢・可動域のチェック A処置-別の箇所の調整 となります。

 ここで断っておきたいのは人の身体は機械などとは比べようもないほど複雑なので上記のように単純化は出来ない、ということです。
機械のようにねじを1本締めたら改善効果が簡単に永続的に続く、というものではないのです。

 だがしかし、確実に改善効果を上げてゆく方法があります。
それが上のD実施の部分をしっかりやって頂く事です。
私たちは身体をみて、
「こういう歪みがありますよ。だからこうしてゆきましょう。」
という指摘とアドバイス、それから若干の調整で身体を良い状態に持ってゆくお手伝いをすることは出来ます。

 ただもっと高い希望としては2人3脚でPDCAサイクルを何度も回し、より高いレベルでの健康を得られるようにお手伝いできれば、と思うのです。