高揚感の要因はいくつもあるでしょうが、私がニューヨ-クに行った時を振り返れば「音」が鮮明な記憶として甦ります。
マンハッタンの構造は南北に細長く道路の道幅以上に高い高層ビル群が連なっているために音が反響しやすいのです。
感覚としては音が立体的に反響してる。

 そして、色んな音が錯綜してます。 パトカーのサイレン、工事の音、雑踏、地下鉄の列車が通る音が地上に抜ける、クラクション、ひずめの音!(馬上警官)など等。
ストリートとアヴェニューの交差点では違う道から反響し届いてきた音が交差したりする。
とそこへ意外な説が。

「生物と無生物のあいだ」
(アロハカイロ&フットパラダイスのHPのコラム☆動的平衡その1,その2,その3☆でも取り上げさせて頂いてます)
の著者で分子生物学者の福岡伸一先生
(80年代にニューヨークのロックフェラー大学の研究員だった時期がある)
と前回の話に出た環境NGOで国際的に活躍されている男性がお話しする機会があったそうですが、その折にやはり2人の間でマンハッタンの高揚感について話が出たそうです。

 福岡先生の説によると、マンハッタンは固い岩盤の上にある。
岩盤にはそれこそ無数の高層ビルの鉄骨が突き刺ささってる。
色んな生活音-オフィスでは電話の音やコピー機の音、生活の部屋では洗濯機や例えば赤ん坊の泣き声、レストランでは厨房の様々な音やBGMの音- その他もろもろの音が鉄骨を伝い岩盤へと届く。
岩盤ではその様々な音が共鳴を起こす。
それが地上へと伝わり人々を高揚感へと導く。

それを聴いた瞬間なんと面白い想像か!と鳥肌が立ちました。
例えば「マトリックス」のようなハリウッド映画を想像してみて、
空中高くからビルの外側が俯瞰できる。
先程のようなオフィスやアパートメントやレストランの音が鉄骨を伝わるシーンがある。
その音の伝達シーンの映像が地中深くもぐってゆき、岩盤の共鳴シーン。
そして、地上への伝播。

こんなシーンを想像するだけでもワクワクしてしまいませんか?
マンハッタンの高揚感について話してた時間はほんの5分ほどなんですが、とてもワクワク感を体験できた時間でした。
そういった日はなんか1日得をした気分なのです。