カイロプラクティックではベッドでうつ伏せになって頂いた時、身体を真直ぐにして左右の脚の長さをみる場合があります。
最近、新規の方に「脚の長さが違いますね」とご説明しても
「あぁ、ヨソで指摘されたことがあります」
とごく自然にいう患者さんが増えたな~という印象があります。

 そこで今回は、なぜ脚の長さに左右差が出来るのか、個人的な見解とカイロプラクティックで脚の長さをみる理由をご説明させて頂こうと思います。
実は、脚の長さの違いといっても骨の長さの違いではなく、(まれにそういったケースもありますが今回のテーマとは異なります)見かけの長さの違いのことなのです。

 では、なぜ見かけの長さの違いが出来るかというと、筋肉の長さに差が出来るからだろうと思われます。
アロハカイロ&フットパラダイスのHPで『ノーマルディストーション』を取り上げました。
利き足の考え方です。

あなたは利き手は右でしょうか?右利きならばかなりの確率で利き足も右のことだと思います。
(利き足はサッカーボールを蹴るときの足、掃除機をかけるとき後ろに配置する足)

 私の観察では日常生活でこの利き足を中心に使われることが多いようで、長時間立ちっ放しの時などは利き足側に体重をかけて立つほうが多いようです。
そうすると体重支持のために利き足側の筋肉群が収縮していることになります。この習慣が何十年と言う単位で反復されることにより、相対的な筋肉の長さの左右差が出来、利き足側がより体の中心部に引き寄せられるようにして見かけ上の脚の長さの差が出来るのだと思います。
そして、この筋肉群の緊張の差が骨盤や体幹を捻る原因となります。

 具体的に言うと、利き足側の骨盤が後方に捻れるケースが多いようです。
どこかのカイロプラクティックや整体院で脚の長さを比較され、「右足が短いですね-」
と指摘を受けたことはありませんか?
 私も常日頃、短いほうを言うより
「左足のほうが長いですね」
と言った方が相手に対する心証がいいだろうと思うのですが、実は、カイロプラクティックでは後方にズレているものを前方に矯正するのを主題にしているのです。

 身体の構造を考えれば、当たり前なのですが・・・
背骨の捻れを前側から矯正しようとすると、お腹や胸側から内臓を超えて背骨に達する圧が必要になります。
それよりも、背中側から後方に捻れているほうを矯正したほうがやりやすいので、後方への捻れを探すことが重要になるのです。

 そこで骨盤に話を戻して、後方にねじれている側は足が短い。という法則をいつも一生懸命探しているから、先程の「右足が短いですね-」という表現になってしまうのです。

 以前と比べ巷でカイロプラクティックや整体を施術する人も増え、また、受ける人も増えたため自分の脚の長さに違いがあると認識してる人がずいぶんと増えたな-と言う実感があります。

 さて、次回は世間ではそんな認識が薄かった30年ほど前に私が体験したある怪しげなセミナーの話です。