以前 ☆看板を背負って立つその2☆ でまったく耳が聞こえなかった86歳の女性が膝痛でご来院された時の出来事を書きました。
その結びはこうでした。
以前、仲井DC(ドクターオブカイロプラクティック)のセミナーでアプライドキネシオロジーテクニックの創始者ジョージ・グッドハートDCから聞いたというセリフが思い出されます。
「神様はあなたにある症例を克服させるために、何度も同じ症例の患者を送り込んでくる。あなたはそれに立ち向かいチャレンジし技術を向上させなければいけない」
どうやら患者さんは症状と言う「課題」を持ってきて私たちを鍛えてくれているようです。
さて、私がカイロプラクティックを学び、実践しだして、かれこれ16年。
ここ鎌倉の由比ガ浜で治療院をオープンさせて10年少々。
これは気合を入れていかねば!という症例に出会う機会が減り、あぁ あのパターンで上手くいくだろうな、という時期がありました。
で、上のジョージ・グッドハートDCのセリフ。
これが本当にあるよな~と実感しきりのこの頃です。
まずは急性腰痛、ぎっくり腰。
ここアロハカイロ&フットパラダイスにぎっくり腰でご来院された方ならお分かりかと思いますが、1~2回の施術で随分改善するのです。
直立位からお辞儀をするように前かがみをすると、20~30度で腰に痛みが出て「うっ!!」 前かがみで痛みが出るパターン。
—骨盤と腰椎○番を調整すればいいな。
前かがみの状態から身体を後ろに戻してゆく時や、イスから立ち上がる時に手を使って身体を起こさないと痛みが出るパターン。
—骨盤と腰椎□番を調整すればいいな。
直立位から前かがみも、後ろに反らしても、左右にねじっても、倒しても痛い。 複数方向に動かして痛みが出るパターン。
—骨盤と腰椎△番を調整すればいいな。
9割がた過去の施術パターンを引用してやれば改善する。
金曜日に前かがみで「うっ」と痛んでいた人が、施術の翌日の土曜日には全然痛みも無く海で磯釣りをしていたそうです。
そんな改善具合を後日報告してくれる方が多いのです。
ただ、いまひとつ改善具合が良くないぎっくり腰があったのです。(今となっては過去形ですが)
それは、後ろに反らした時だけ仙骨部に痛みが出るパターン。
これは過去に数名来院されたかな。
共通しているのは、他のぎっくり腰のようにねじって、屈んだときにギクッとやった!というような明確なきっかけが無いこと。
皆さん「なんとなく痛み出した」と言っているのです。
そして、10度ほど身体を前に傾けて、お尻を後ろに引くような(へっぴり腰)姿勢でいれば、痛みも無く動き回れもするとの事。
過去に先輩やインストラクターから教わった箇所を調整しても、いまいち芳しくない。
そこで、患者さんは症状と言う「課題」を持ってきてくれているんだ、と一生懸命課題克服のためあれやこれやと調べ、研究していると不思議なことにそんな症例が立て続けに、こちらに向けてやってくるのです。
普段は首とか肩がつらいと言って来ていたのに、腰が痛いなんて言って来た事が無いのに、そんな人が入り口のドアにへっぴり腰で立っていたりする。
「これといって思い当たらないんだけど、まっすぐに立とうとすると痛いのよ。」
もう何年も何十回も来てくれてる女性が、そういうドンピシャなタイミングでやってくるのです。
「あ―股関節か!!」
うん!うん!と脳みそに汗して、解決策を探していると見落としていた箇所にひらめくものなんですね。
その瞬間に改善具合が良くない過去に数名来院された人との会話を思い出したりするのです。
「あぁ、あの時あの人は車の運転をしていていつもと車の装備が違うので・・・と言ってたな。あそこにヒントがあったんだ!」
それから、その女性の知り合いが同じ症状で困っていたと紹介で来たり、新規でご来院の人がやはり反らす動きだけが痛い腰痛で来たりと、
同じ症例が立て続けに私に向かってやってくるのです。
しばらくして、まぁこの施術パターンでいけばほぼ大丈夫だろう、という自信が持てた頃、不思議とピタッとその症例が来なくなるのです。
やはりジョージ・グッドハートDCの
「神様はあなたにある症例を克服させるために、何度も同じ症例の患者を送り込んでくる。あなたはそれに立ち向かいチャレンジし技術を向上させなければいけない」
というセリフは名言だなと感じさせられるのです。
さて、次回もこの話は続きます。