今回はストレスからくる肩こりについて。
ストレスも肩こりの原因になるんだな~と実感させられたのは2人の若い白人男性をみた時でした。
1人はアメリカの中部のど田舎(失礼)から来日して3ヶ月も経っていない、という人でした。
彼は全く日本語が話せず、日本人の友人を連れて来て通訳をしてもらいながらの施術だったのです。
彼の最初の自分の症状(この未知の痛み)についての感想は肩の骨折ではないか、との事。予約時に電話でその可能性があることを聞き、先輩の先生が
「音叉用意しとく?」
と聞かれましたが、不要でした。
(ちなみに骨折の確定的な診断はレントゲン像でしょうが、骨折部位に音叉を当てることでも骨折の有無をある程度調べられるのです)
通訳役の友人と話していて分かったのですがただの肩こりでした。それほど、肩こりの経験が無く、白人の彼にとって恐怖の症状だったようです。
彼の友人によると人が少ない田舎から、全く話が通じない外国に来て端で見ていてもかなりのストレスを常に感じているとの事。施術の後、それを説明し納得してもらうのにかなり骨が折れました。
2人目は対照的に日本語ペラペラ。
英語なんて忘れましたーなどと軽口を叩くオーストラリア人でした。
当時彼は来日して6年を超えていました。
日本人を交えて働く環境で言葉も流暢な陽気なオージーのストレスは、交通事故の後遺症でした。事故後の検査で打撲の程度も軽く、骨に異常無しとの診断だったのですが、それ以降、彼を今まで経験をした事の無い恐怖の痛みが襲います。
肩こりです。
以前から私は知識として知っていたことを彼に質問してみました。
「英語に肩こりという固有名詞は無いの?」
「ん~、無いネ。日本に来て初めてそんな言葉を知ったヨ」
「じゃあ、肩凝った時、どう言うの?」
「肩は凝らないヨ」
「じゃあ、今のあなたの状態をどう表現するの?」
「う~ん、Backpain 」
まず、彼ら欧米の白人は肩が凝らないらしい。
そして、それでもそういう状態になったら肩~腰までを指す非常に面積の広い背中の痛み、という表現を持ってくるらしいのです。
彼らはストレスがキッカケで肩の凝りを意識し出し、それに意識が集まると症状が顕在化し慢性化していったようです。
肩を触ったらバンバンに張っているのに、肩こりを感じないという人が周りにいませんか?
日本人は昔から身体の部位を表現に使うことが多いそうです。
肩で風を切って歩く、肩の荷が降りる、etc。それだけ身体の部位に意識を持ちやすいのではないでしょうか。
肩が凝っている、と意識すればするほど肩が凝る。
そういう肩こりもあるように思えるのですが、いかがでしょうか。