何回か前のブログ記事でいわゆる五十肩の症例に触れました。
一般的な五十肩の症例は肩の関節(肩甲上腕関節)の周囲の筋群に何らかの外傷、炎症が発生し、それが周囲へと広範囲に炎症が広がり、関節にこわばり(拘縮)や痛みを長期にわたり引き起こされるものです。
この原因はカイロプラクティックの専門学校でアメリカでドクター課程まで取った先生にきいたところではマイクロトラウマ説
(長年にわたり筋肉に微細な傷がつきそれがある時一定量を超えると引き金を引き起こす)
もうひとつは私がよく引用をさせて頂く免疫学の世界的権威の安保徹先生の説で、これは横向きに寝る姿勢が人はいつもどちらを下にして寝るか決まっている、その下にしている側の方がいつも圧迫されやがて五十肩を引き起こす、という説です。
ここアロハカイロ&フットパラダイスにも多くの五十肩の患者さんが来られているのですが、右利きなのに左肩に発症する人に左肩を下に寝るかと聞くとほとんどの方がそうなので、これも有力な説だと思います。
さて、五十肩の進行過程はまず、進行期がありこのときは痛みがひどい。そのうちに可動範囲が狭まってくる。
その後に症候的に平坦な時期があり、この時は進行期ほどに痛みがひどくは無いのだが、可動範囲が狭まったまま。
やがて回復期になると徐々に痛みは薄れ、肩の可動範囲も広がってくる、という感じです。
このスパンを軽度の人は6ヵ月ぐらいで終わり、重度の人は2~3年も長引く人がいます。
さて、私が臨床でみてるとご来院される方は先程の平坦期の方が多いようです。
肩周りの筋肉では肩甲骨の上にある筋肉(棘上筋)→腕を挙上する、肩甲骨の下にある筋肉(棘下筋)→腕を外にねじる、それと、広背筋あたりの短縮が顕著です。
したがって、アロハカイロ&フットパラダイスでの施術のポイントはそれらに筋肉群の支配神経(頚椎5~7番)あたりのズレを調整する。
それらの筋群をアイソメトリック後のストレッチ(マッスルエナジーテクニック)で調整する、などが一般的なところです。
さて、このようにして調整進めると、当たり前のことなのですが何もしないよりは回復を早められます。
そのようにして、腕の可動範囲が挙がってくると、手を水平線を指差すように前に出し、その角度が0度、天空を指差すように挙げた角度を90度とすると、最初は40度ぐらいまでしか挙げられなかったのが70度ぐらいまで挙げられるようになる、ここでやぁ私は治った治ったと処置を放置するともったいないことにその先への可動回復が長年経っても戻らない、ということもありうるのです。
実際、そういう方もご来院されてます。
(20年以上も前に五十肩をやって、日常生活に支障を感じないからその後は放置していたとのこと)
この70度ぐらいを超えてからの可動範囲の回復に要点になりそうだと思っているのが前回にでた胸鎖関節。
実際、この胸鎖関節に触れてみましょう。
左の人差し指で右の鎖骨の内側を触る。
内側の鎖骨の上(頭の方)に触れてみる。
そこから筒状の鎖骨を下に(足の方)滑ってゆくと鎖骨と胸骨の境目に触れられます。
そこに触れながら、外人がOh,My,GOD!あたりのセリフを言った時によくやる肩をすくめるポーズを右肩だけやってみて下さい。
あ、一つだけ注意を!職場で衆人環視の中でやらないでくださいね。
変に思われるから。
どうですか?鎖骨の内側の先端が胸骨の上で回転してるのがわかるでしょうか?
五十肩が長期化した方はこの関節の動きが失われていることが多いのです。
かなめ【要】という言葉を辞書で引くと1物事の最も大切な点や事柄、また人物。2.扇の骨と留める釘。また、その部分。
となってます。
私はこの2.の項目がこの胸鎖関節に似ているような気がします。
「体幹」とは胸鎖関節のほんの小さな関節面で4kgほどある上肢と繋がっている。
日々、カイロプラクティックの臨床にあたっていると、こんなことをツラツラと考えていたりするのです。