季節的にはこれから悩む人が増える冷え症についての話です。
手足など抹消が冷えてひどい人になると寝るとき靴下を2枚重ねないと眠れないといったケースもあります。
とくに臨床で話を聞いていると女性に冷え症が多いようです。
体内で熱の産生と放散はバランスが取れているのですが、外気温が下がると体は中心部の体温を保持しようとします。そのため、末梢の体温が下がり外気温が上がっても体温調節が上手くいかず末梢が冷えたままなのが冷え性です。
原因は自律神経、ホルモン、甲状腺など色々考えられますが一般的な冷え症について血液と食物の関係からなぜ冷え症になるのか、どうしたら冷えを改善できるのかご説明したいと思います。
血液は栄養分・老廃物や酸素・二酸化炭素を運搬するだけでなく熱も運んでいます。末梢の血管が収縮した状態だとそこから先に十分に熱を運べないことになります。一時的に収縮してまた弛緩するなら良いのですが、常に収縮した状態だとどうでしょう?
臨床で冷え症の女性を診てて共通する特徴がいくつかあります。
・ふくらはぎが短縮していて硬い。
・歩行量が少ない。
・ヒールのある靴を一定期間履いていた。(現在は履いていなくても)
・むくみもある。
ヒールの高い靴でふくらはぎを縮めて生活して、歩くときも足首のスナップをきかせられない(ふくらはぎを十分に収縮させないということ)歩き方ではふくらはぎは短縮し硬くなるでしょう。
足は第2の心臓と言われるように歩くことで筋肉(特にふくらはぎ)がポンプ作用をして静脈の血管をしごいて血液を心臓へ戻しているのです。その作用が少なくなると血液循環が悪くなるのはお分かり頂けるでしょう?
まず1番目の対策としては血液循環を良くするためにヒールの無い靴で十分に歩くこと、アキレス腱のストレッチ、寝る際の腹式呼吸などです。臨床では足首の外くるぶしから指6本分上、そこからアキレス腱の方に指2本分回ったところの場所に筋肉の緊張が多くみられます。パートナーがいればそこをほぐしてもらってください。ただし、かなり痛いのでやってくれてる人を蹴飛ばさないように。
それに加えて、末梢に血液を十分に運ぶためには血液自体をサラサラにしてあげたい。テレビでサラサラ血液とドロドロ血液の映像を見た人も多いはず。
第2番目の対策としては人によって、季節によって摂取量が異なるのですが常温の水(お茶などの水分としてでなく真水)を1.5~1.8リットルは摂ることを心がけて下さい。(アルコールで水分をそれぐらい摂ってるよ。と豪語する人がいますが、アルコールは体内の水分を消費します)コツは500mlのペットボトルを携行しほんの少量ずつ小分けに飲むことです。
最後に重要な食物。
熱い地方、熱い季節に採れる作物は体を冷やす作用があります。例えば、南国の果物にはカリウムが多く含まれます。カリウムが多く体に入ると体を弛緩させ冷やすように作用します。コーヒーや砂糖もそう。
逆に冬に取れる作物や根菜類は体を温めます。また、ナトリウムを多く含む食べ物は体を収縮させ温めます。昔から熱い地方では香辛料を使った料理で発汗を促し体を冷やしたようにその土地と風土に合った食事は理に適っているわけです。
3番目の対策としては食の効用を考え体質にあったものを食べることです。冷えると嘆きながら上にあるようなトロピカルフルーツやサラダ、冬には採れない作物などを多く摂っていませんか?
この考え方を推し進めると身土不二ーしんどふじーという考えに至ります。身土不二とは人間と風土は1つのもので一体であるということです。人は環境・気候に体を順応させることで適応し、それゆえに体質も異なってくる。大切なのはその風土で採れる作物から食事をしエネルギーをもらい日々生活してゆくのが理想的との考え方です。