なんだかビールの「のどごし」みたいなタイトルですが、季節と体調の関係の話です。
毎年の事なのですが、この梅雨の時期は体調を崩される方が多いようです。
今年の春ははっきりと春らしい陽気というものが無く、寒暖の差が激しいうちに梅雨に入ったという感じです。
その不調の中でこの時期はギックリ腰の方が多いのです。

 このギックリ腰と異常な天候は大いに関係があると私は考えています。
通常、体内の水分や塩分の調整は腎臓がしています。
ただし、もう1つ水分、塩分調整に重要な役割をしている器官があります。
それは汗腺です。
夏日のように暑い日は大量の汗をかきます。
そうすると腎臓の水分、塩分調整は頑張って働かなくともすみます。

が、しかし、汗をかかなくなると汗腺からの水分・塩分の排泄量が減るので、腎臓は頑張って働かなくてはいけません。
こういった気候の変動が緩やかに進んでくれれば問題はないのでしょうが、日替わりで暑い日と涼しい日が来るとたまったものではありません。

 そして、カイロプラクティック的な考えとしては内臓器の疲労はそれを包んでいる膜を通して伝播すると考えられています。
伝播する先は・・・腎臓のすぐ後ろにある大腰筋。
実際ハワイの解剖実習でお腹の中の構造を見てきたのですが、腎臓と大腰筋は密接に膜を絡めあいながら、並んでいるお隣さんの関係なのです。
そして、大腰筋の主な働きはお辞儀するように身体を前屈させること。
大腰筋に負荷をかけ続け、あるとき身体を曲げようとしたら、『ギクッ!』
ギックリ腰をやった人の話でよく聞くシーンではありませんか。

ぎっくり腰

 少し専門的なのですが、背骨と背骨の間には椎間板というバームクーヘンのような構造のクッションがあります。
この椎間板にとって構造上一番負担がかかる体勢が何かと言うと・・・前曲げ+ねじり。

 ギックリ腰をやった人の話でよく聞くシーンとはこれです。
庭で草むしりをしていて立ち上がる時。たんすや引き出しの奥の物を取り出そうとした時。洋式便座に座っていて下の落ちた物を拾おうとした時など等。
問診時にそのシーンをもっと詳しく聞いてゆくと、この前曲げ+ねじりの体勢がよく出てきます。

 そしてギックリ腰をやってしまった時、覚えていて欲しいのは冷やす事。
氷水でひたすら(アイシングは20分着けていたらしばらく離し、また20分着けることを繰り返す)冷やしましょう。
間違っても温めないように!
それから受話器を手に取り0467-61-2781へお電話を!(笑)

 さて、臨床の場ではこのギックリ腰が起きやすい時期があります。
それが梅雨の時期と秋口。
体内水分の調整量が急激に変わる時期に多いようです。
まもなく梅雨は明けるでしょうが、腰に不安のある方はお気をつけを!